二人の笑顔
『始めまして 指名ありがとうございました。』
美鈴は笑顔を作りながら
今日 始めての客を迎えた。
「おはよう」
勇次は少し強ばった表情で美鈴を見ながら言った。
言いながら 心のなかで
写真より 可愛いいなー
一方美鈴はなんか ぱっとしない男だな 風俗ばっかいってんのかなー
と 心のなかでおもった。運命の出会いのはずなのにまんがのように 稲妻が走って お互い引かれ会うような劇的な出会いではなくあまりにも普通すぎて。
のちに このふたりが愛しあうとは ふたりともまだ知らない。
もっとも 勇次も美鈴もまだ 人を愛したことも無いし 付き合ったことすら
一度もない…
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