恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
「…そういえば武藤くん、入る部活決めた?
そうだ、よかったらコレ…食べてくれない?」



夕陽の事が頭から離れられないせいで問題に集中出来ないので、私は違う話題で気分を変える事にした。


今日も部活見学会では、料理部の方は大盛況だった。

と同時に、またしても不良品のクッキーを持って帰ったわけだ。


カバンからその包みを取り出すと、私は武藤くんに差し出した。



「わぁ!
いいんですかぁ?」



「うん、形の悪いものばかりでごめんね。
まともな奴は、みんな売れちゃったんだ」



ボロボロでガタガタのクッキーなんだけど、武藤くんは目をキラキラさせながら包みから1つ口に運んだ。




「…………うん、甘くておいしいです!」



「本当!?」



小沢先輩や優ちゃんに言われた「食える」レベルのクッキーで、まさか「おいしい」なんて評価がもらえるとは思わなかった!


え、お世辞?

でもでも、それでも嬉しいーっ!!




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