恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
「はぁぁぁっ
いいお湯だぁぁ…!」
服を脱いで一緒にバスルームの狭い浴槽に入ると、あったかいお湯にまたしてもお姉ちゃんがオヤヂのような声を出した。
2人一緒に入ったから、8分目だったお湯も淵からザバザバ溢れていく。
「人間やっぱ、お風呂に入ってる時が一番幸せだねぇ…」
どこか明後日をみているお姉ちゃんは、既に意識が別の世界に行っているみたいだ。
昔はこんな事なかったのに、どうしちゃったのかなぁ。
社会人になるって、そんなに大変なの?
「お姉ちゃん、何か疲れてるね」
「当たり前よ。
毎日遅くまで残業してコンビニ弁当食べて…
あ、いやいや、何でもないっ」
…コンビニ弁当。
うちでの晩ご飯に、やたら美味しいってお代わりまでして食べてたのは、普段コンビニ弁当ばっか食べてるからだったんだ。
忙しくて、自炊もできないんだなぁ。