恋……シヨ?ー小沢尚人編ー






「ヤダ、心花。
八百屋の武藤の長男が、夜な夜なバイクを乗り回す金髪ヤンキーだって知らなかったの?」



マフィンのおかげで助かったんだけど、初めてヤンキーに絡まれたのもあって私の心臓は帰ってからもバクバクだった。


そしてその一部始終を家で待ってたお姉ちゃんに話すと、これまた何が面白いのかゲラゲラ笑い出した。



「アイツ甘いものには目がないのよ。
わたしがコンビニ行った時とか、よくデザートの置いてある陳列棚の前にいたりするんだもん」



「…お姉ちゃん、あのヤンキーと知り合いだったんだ」



「し 知り合いって言うか!ちょっとバイクに乗せてもらってクズ野菜分けてもらった事あるだけよぉ!!」



急に慌てふためくように言い出したお姉ちゃんだけど。


“ちょっとバイクに乗せてもらって”

“クズ野菜分けてもらった”…?



2人のものすごい関係に、何とも言えない不思議な気分だった。




甘いものには目がない…。


つまり武藤くんのお兄さんって、スイーツヤンキーって事なんだ。






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