恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
「お待たせーっ!
サンドイッチ、準備できたよー!!」



ちょうどその時、お店の奥からバスケットを抱えた夕陽が戻ってきた。


そんな急な元気な声に、私と赤坂くんはハッとして夕陽の方を見た。




「…どうしたの?2人とも黙っちゃって」



「あ、いや…」

「わ 私らには、差し入れないんかいっ!」



「梅シュ!?」



必死に赤坂くんへのツッコミを考えていたのだけど、私は何故か勢いで夕陽にツッコんでしまった。

それには赤坂くんも、目を丸くしたみたい。




「あぁ、あるわよ。
はい、作ったサンドイッチの切れ端部分」



なんてサラッと返した夕陽が差し出したお皿の上には、食パンの耳と挟まれた野菜の残骸が乗っていた。




「「うちらは家畜かいな!!」」



「あはーっ
あんたたち、ナイスツッコミじゃん」



そう言ってケラケラ笑う夕陽。




ちょうど熱かったマグのココアも、だいぶん冷めてきた。





だけどもし…もし夕陽が戻って来るのがもう少し遅かったら、赤坂くんへのツッコミはどうなってたんだろう…。











< 82 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop