恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「──っ…」



キャハハッと高笑いをこだましながら去っていく三人の姿が、ぼんやり視界から消えていった。

私はただその場に立ち尽くす。



「あー面白かったぁ!
……あれ?心花~?」



お化け屋敷を出てきたらしい夕陽の私を探す声が聞こえたけれど、それでも動けなかった。


さっきの女子達の言葉が頭から離れない。



──私は年下の子のことを好きになっちゃいけないの?

武藤くんへの恋心は持っちゃいけないの?



そんな彼女達の言い分は理不尽だってわかってる。

私がこんなに落ち込む必要はないってことも。


だけどそれは、厄介な小さいトゲのようにチクチクと私の心を刺激したまま抜けることはなかった。







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