恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
そう、諦めかけた時だった。



「ごめん。休憩中は料理部の先輩のところに行きたいんだ。
悪いけど…誘うなら他の人にしてくれるかな?」



優しい口調で薄く微笑みながらも、武藤くんはちゃんと断ってくれた。


料理部の先輩って私のこと、だよね…?

私がいなくてもそう言ってくれることが嬉しい。



じーんとする胸をそっと押さえていると、それでようやく諦めたらしい女子達がこちらに向かって歩いてきた。

武藤くんが言う“先輩”が私のことだとは思わないだろうけど、なんとなく身を潜めてしまう。


すると、彼女達の話し声が聞こえてきた。



「料理部の先輩だってー」


「武藤くんのこと狙ってんのかなぁ?」


「えーヤダぁ。自分の学年の男子にしろよって感じ!」


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