恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「お兄さんも甘い物好きなんだね。どんなお兄さんなんだろ、会ってみたいなぁ」


「…会ったらビックリするだろうな…」


「ん?」


「あ、いえ、なんでも」



ボソッと何かを呟いた武藤くんの言葉は聞き取れなかったけど…

でも武藤くんのお兄さんだもん、きっと紳士で誠実な好青年に違いないよね。



「あ、ところで武藤くんは料理部に入部を…?」



一番聞きたかったのはこれだ。

淡い期待を胸に尋ねてみると、武藤くんは申し訳なさそうに眉を下げる。



「すみません、先輩…。
塾と他にも色々やりたいことがあって、ちょっと部活には入れなさそうなんです」


「あ…そっか…!」



やっぱりダメかぁ……

あからさまに肩を落としそうになったけど、なんとか笑ってみせる。


< 11 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop