恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐

「やっぱり生リュウジは最高だったなぁ~…」


「梅津サン?」



──はっ、菅野先生!!


文化祭から数日経ったというのに塾での休憩中に思いっきりトリップしていた私は、いつの間にか隣に来ていた講師の菅野先生に驚いて肩を上げた。



「なんか授業中からボーッとしてたみたいだけど、ちゃんと聞いてた?」


「は、はい!バッチリですっ!」



ゔ……爽やかに笑う先生だけど、眼鏡の奥の瞳は絶対に私の嘘を見抜いているに違いない。



「まぁいいけどね。君には僕よりぴったりの“講師”がいるみたいだし」


「えっ?」


「でもあんまり他の男のこと考えてると、彼も嫉妬しちゃうよ?」



私にこっそり耳打ちする菅野先生が指差す方を見やると、武藤くんが冷た~い視線を私に向けていた。


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