恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
その日から、放課後は料理部の見学会で大忙し。

入る気のないコ達までお菓子目当てで押し寄せてきて、一応副部長の私ですら押し出されそうな勢いだった。


用意したお菓子は片っ端からなくなっていく。

残り僅かになると徐々に人もまばらになってきて、たくさんの人にお菓子を食べてもらえたのは嬉しいけど、同時に寂しい気分にもなった。



──武藤くん、やっぱり今日も来ないか…。



春休み中に練習して、なんとか上手に作れるようになった苺のシュークリームを眺める。

…これ、食べてもらいたかったんだけどな。



「すみません」


「…あ、はい!」



ダメダメ!

そんな私情を持ち込んだら忍先輩に怒られちゃう。


< 6 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop