恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
張り詰めた空気の中黙ってお互いを見つめ合っていると、ふいにリクくんが軽く息を吐いてふっと笑った。



「…なんだ、先輩って結構言いたいことハッキリ言える人だったんだ」


「……へ?」



今は全く関係ないような言葉が返ってきて、私は一気に肩の力が抜ける。



「雅晴から先輩の話は色々聞いてたけど、もっとおとなしい人だと思ってました」


「武藤くんから…?」


「そう。『僕の方が年下だけど守ってあげたくなるんだ』とかって言ってたからさ」



ま、守ってあげたくなる…!!??
私ってそんなふうに思われてたの!?


恥ずかしい…けど、ものすごく嬉しいよ。

会いたい、な……。



すると、リクくんが近付いてきて何やら私の後ろの方を見ながら指をさす。


< 70 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop