恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐

どうしてリクくんにそんなこと言われなきゃいけないのよ…!?

沸々と怒りが込み上げ、私はリクくんを呼び止めた。



「リクくん!!」



立ち止まって振り向いた彼はまだ冷たい表情のままだ。


リクくんが武藤くんのことを友達として大事に思ってるのはよくわかる。

でも私にだって言いたいことがあるのよ。



「…好きな人以外にも何かしてあげたいと思っちゃいけないの?」


「………」


「恋愛感情はないけど、私にとって大切な人達に変わりないの」



小沢先輩は意地悪だけど、私の下手な料理をいつも食べてくれた優しい心を持った人。

何でも言い合える優ちゃんは、小さい頃から一緒に育った家族同様に大切な人だ。


この差し入れはそんな二人への感謝が形になっただけのことなんだよ。


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