恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
「でもそれじゃ意味ないじゃないですか…」


「心配するな。梅津には特別に教えてやるよ」



前屈みになった先生につられて私も耳を近付け、小声で紡がれる言葉に集中する。



「教会が開くのは、文化祭中のいつかだ。
詳しい時間は断言出来ないが…まぁ梅津の運次第だな」



文化祭……あと一週間だ。

それまでに私は決心しないといけないってことか…。


急にドキドキし始める胸を押さえながら、私は腰を上げた。



「…先生、貴重な情報をありがとうございました!私、頑張ります!」



勢い良くお辞儀をすると、夕日を背に綺麗に微笑む先生がいた。



「…万が一ダメだったら俺の所に来ればいい。慰めてやるぞ」


「……結構です!」



ははっと歯を見せて笑う、本当は優しい先生に感謝をしながら、私は保健室を後にした。







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