虹の見える向こう側


彼は絶対に私を怒らない。


いつも優しく私を包み込んで私自身正直わかっていない私のことを解きほぐしていく。


それが心地よくて、落ち着いていて…私はそれを手放せずにいた。


「私、もう先輩には会えません。」


意を決して顔を上げて、先輩にそう告げる。


今日ここに来たら、きちんと言おうと思っていた言葉。


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