BRACK☆JACK~序章~
 だが、エイジは黙っている。

 ミサトはもう1度、ゆっくりと息を吸った。



「世界中の何処にいても、あたしがあなたを見つけてみせる」



 エイジは、笑顔をミサトに向けた。



「どうやって?」

「だって…あたしとエイジ、同じ香りがするもの」

「そうだな…」



 エイジの、ミサトを撫でる手が止まった。



「挨拶だけ、しておくか」



 そう言って、エイジはミサトに顔を近づけて。

 ミサトは、目を閉じる。



『Chance in a Million』



 生きて、また会える確率は、万にひとつしかなかったが。

 それでも、その可能性を信じようと、ミサトは思う。

 自分はまだこうやって、生きているのだから。

 この挨拶が、別れの挨拶じゃないことを、ミサトは心から願っていた。










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