溺愛カンケイ!

起き上がろうとした時、不意に腕を掴まれ目線を上げると田中主任がいて


「花音ちゃん、大丈夫?立てる?」

支えるように身体を引き上げられた。

「は、い。ありがとうございます」


田中主任はニコッと笑ったあと、急に厳しい表情になり割り込んできた女子社員に対して


「君たち、突き飛ばすなんてヒドいんじゃない?俺はそういうのは感心しない」

ちゃんと謝るべきだ、と言い放つ。


「「えっ、」」

あの王子様の様な主任からキツい言葉を言われた女子社員、課長、その場にいた人みんなが唖然としていた。
私もその中の一人だ。


「課長も隣にいて花音ちゃんが突き飛ばされて倒れていたのにその子達に何も言わないなんてあり得ませんよ」

「田中…」

課長は田中主任の言葉に複雑な表情に。



「おいで、花音ちゃん」

私の方に振り向いた田中主任は微笑み、そのまま手を引かれ誰も座っていないテーブルに連れてこられた。
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