溺愛カンケイ!

花音の身体に触ろうとしたら

「ちょっとあなた、動かしたら駄目よ。頭を打ってるかもしれないから救急車が来るまで動かさないで!」

側にいた女性に怒鳴られ注意された。

そうだ、冷静にならないといけない。
ふぅと深呼吸する。
激しく脈を打つ心臓を押さえるように。


花音は呼吸してる、生きているんだ。


祈るような気持ちで救急車を待っていると、遠くからサイレンが鳴り響いた。

ようやく救急車が着き、俺も一緒に乗り込み救急隊員に花音の情報を伝えた。



すまない、花音…。

俺のせいだ。

俺があの話をしっかり断っていたらこんな事にはならなかった筈だ。


花音はこんな俺を許してくれるだろうか。
花音が目を覚ましたら話を聞いてくれるだろうか…。


その前にあの女の事は絶対に何とかしないといけない、と決意も新たにした。


< 191 / 332 >

この作品をシェア

pagetop