溺愛カンケイ!

「当たり前だろ。左腕にひび、左足に軽い捻挫、あと額に3針縫って身体には打撲や擦り傷があるし」

「えっ、」

縫ったの?じゃあ傷跡が残るって事…。

「それだけの怪我ですんでよかったよ。バイクのスピードがそんなに出てなかったのが幸いしたのかな」

「あー、何となく避けた気がする」

バイクが向かってきた時はもうダメだと思ったけど身体が勝手に動いたっていうか、ハッキリとは覚えていないけどバイクが直前にスリップしたから避けようとして何かピョンと跳び跳ねて着地に失敗したような…。
どうしたっけ?


「全く…、親父もお袋も心配してたぞ」

「うん、ごめんね」

素直に謝った。みんなに心配かけてしまいホントに申し訳ない。


「それと河野さんて人がずっとお前の側にいて俺が病院に着くまでいろいろ世話をしてくれたみたいだったぞ」

「拓也さんが?」

驚きを隠せない。何で…。

「花音が目を覚ますまで側にいたいって言ってたけど平日だろ。仕事もあるだろうからって帰ってもらったんだ」

紫音にぃの言葉に胸が苦しくなる。

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