溺愛カンケイ!

しばらくすると病室のドアが開き紫音さんが入ってきた。


「河野さんでしたよね。今日は本当にありがとうございました。河野さんがいてくれて助かりました」


頭を下げられる。


「いや、私は何も…。どちらかというと、このような事態に陥ったのは私のせいでもあるので…」

逆に頭を下げて謝らないといけないのはこっちの方だ。


「それはどういう事ですか?」

紫音さんの厳しい視線が向けられる。


「私と花音さんは去年の九月ぐらいからお付き合いをしています」

「はっ?何だって?」

眉間に深いシワが寄る。


「すみません、報告が遅くなってしまって」

「去年の九月から…花音が男と…」


ブツブツと同じ事を何度も繰り返して言っている。

紫音さんはシスコンだって金沢が言ってた。
付き合ってる男が目の前にいたらそりゃ気に入らないだろうな。
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