溺愛カンケイ!

紫音さんに包み隠さず全てを話し出した。

「花音さんが事故に遭うきっかけを作ってしまったのは私なんです…」


紫音さんの眉毛がピクリと動いた。
その後、時折顔を歪めながらも黙って話を聞いてくれた。


「花音さんが怪我したのは私のせいなんです。本当に申し訳ございません」


深々と頭を下げた。
歯を食い縛り、いつでも殴られる覚悟はしていたけど紫音さんが動く気配がない。


「はぁ…、河野さん顔を上げてください。花音が男と付き合うのは腹が立つけど、怪我はあなたのせいじゃない」


自分の耳を疑った。
怒鳴られ責められると思っていたのに、何故?


「でも、」

俺とあの女のやり取りを見なければ花音は怪我をすることもなかったのだから。

確実に俺のせいだろ…。
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