溺愛カンケイ!

「えー、そんなぁ…」

拓也さんのお仕置きって…何かイヤな予感がする。

「まぁ、頑張って癖を直せよ」

楽しそうに笑う拓也さんに不安を覚える。

私と拓也さんは指を絡めて手を繋ぎ歩き出した。



そんな私たちを遠くから睨みつける視線があった事に全く気付いてはいなかった―――。



映画館に着くと土曜だから家族連れの人たちで賑わってる。

「チケット買ってくるから花音はココで待ってろよ」

「分かりました」

「花音、違うだろ」

もう一度と返事をやり直させられた。

そんな細かいこと言わなくてもいいのに、と思ったのはここだけの話。


「どこにも行くんじゃないぞ」

念を押すように言われ

「もぅ、子供扱いしないでよ」

ポスッと拓也さんの背中を軽く叩く。


「フッ、じゃあ待ってろよ」


拓也さんがチケット売場へ向かい私が一人になるのを見計らったかのように、ブランド品を身に纏った一人の女の人が私の前に立った。
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