溺愛カンケイ!

「花音、大丈夫か?」

拓也さんはグイと私を立たせ、もう一度自分の胸へと抱き寄せる。


その様子を見ていた周りの人達がザワザワし出した。

「ホラ見てよ、あのケバい女が女の子を突き飛ばしたよ」
「マジ怖いね~。修羅場とか?」
「あの女の人、何か惨めだね」

なんて声がチラホラ聞こえてくる。

専務の娘はさすがに居心地が悪くなったのか


「もう付き合ってられないわ。そんな子より私の方がよかったって後から気付いても遅いんだからね」

フンと鼻を鳴らし、捨てゼリフを吐き専務の娘は逃げるように帰って行った。


何で私ばかりこんな目に遭うんだろう…。
溜め息が出る。


「花音、今日は帰ろう」

拓也さんに言われて素直に頷き、映画を見ることなくその場を後にした。
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