溺愛カンケイ!
「田中、突然来てすまないな。入ってもいいか?」
「あ、いえ…、はい…」
田中主任は戸惑いを隠しきれない、そんな表情だ。
主任は拓也さんが私の隣に座るのを視線で追いかけたあとハッとしたように
「まさか…花音ちゃんの付き合ってる人がいるっていうのは河野課長…?」
確かめるように私を見る。主任の瞳の奥がユラユラと揺れている気がした。
はい、と答えなきゃいけないのに声が出ない。
何で?
あ、あ、と口をパクパクと動かし喉元を押さえていると
「そうだ」
私の代わりに拓也さんが返事をした。
田中主任は私と拓也さんの顔を交互に見ながら苦しそうな表情で
「あの、二人はいつから…」
「去年の花音の歓迎会の後からだ」
「去年…そんな前から…、」
花音…か、と切なそうに呟いて静かに目を伏せた。