溺愛カンケイ!
「そんな事ある訳ないだろう」
隣から聞こえた声にビクッと身体が震える。
拓也さんが大きな声で力強く否定した。
「はぁ、どっちにしたって俺はただの間抜けな男じゃないですか…」
田中主任は自嘲気味に笑う。
言わなきゃ、私の想いを…
「そんな事ないです。あの、違うんですっ。拓也さ…課長は全然悪くないんです。私が…全部私がいけなかったんです」
泣いて悲劇のヒロインを気取るつもりもない。
だけど、自然と涙が溢れ落ちそうになるのを堪えるようにグッと力を込めて拳を握り
「課長と付き合うことをみんなに内緒にして欲しいと私が言ったんです。課長はすごく人気があるから、もしバレてしまった時の事を考えてしまって。周りの女子社員の人たちの視線や行動が怖くて…私がワガママを言ったんです」
「花音ちゃん…」
ヤバイ、堪えていた涙が頬を伝う。
そのワガママを突き通した結果、主任を傷付ける事になってしまった。
田中主任も拓也さんもただ私が話すのを見つめている。