溺愛カンケイ!

花山主任たちはどうしてこの場所にいるのかを話し始めた。


「ちょうどね、雅治とご飯食べようってここに来てドアを開けた時にさっきの男が花音チャンたちに声を掛けてるのが見えたの」


花山主任は私と綾を交互に見る。


「最初は知り合いかなって思ってたけど何か様子が変だったから…雅治に頼んで河野さんに電話してもらったの」


「なるほど、そうだったんですね」


私ではなく綾が頷く。


「拓也に電話して花音ちゃんが変な男に絡まれてるぞって言ったら、そりゃあもう凄い速さでここまで来たんだから」


原田部長はププッと吹き出すように笑う。


「それに河野さん、花音チャンの携帯が繋がらないって心配してたのよ。私たちが会社を出る時、雅治に花音チャンはいつ頃会社を出たのか聞いてきたし」

ね、と原田部長に同意を求める。


私はその言葉を聞いて胸が熱くなった。

< 324 / 332 >

この作品をシェア

pagetop