溺愛カンケイ!

携帯…そういえばバイブにしたまま鞄の中に入れっぱなしだ。

ホントに情けない。
勝手に嫉妬して連絡のひとつもせずに、意地悪だのキライだの文句ばかり言って。

拓也さんはそんな私の事を心配してくれてここに駆けつけてくれた。

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


拓也さんのシャツをキュッと掴み、ごめんなさいと謝ると


「花音、あとでゆっくり話をしような」


右手で私の髪を撫でながら優しく囁く。


「おー、熱いねお二人さん。イチャつくのもいいけど俺たちもいることを忘れないで欲しいんだけど。見てるこっちが恥ずかしい」

原田部長は呆れたように言う。

「いいじゃないの、仲がよくて。羨ましいぐらいよ」

花山主任はふんわり笑う。


綾は聞こえないぐらいの小さい声で“バカップルだ”と呟いた。

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