溺愛カンケイ!

節電のため薄暗い資料室。
スイッチを押し電気をつけた。

たくさんファイルがあってよく分からない。
必要な資料はどこにあるんだろう?キョロキョロしながら部屋の奥に進む。


「えっと、コレに使うファイルは…上の方だよな」


ブツブツ独り言を言いながら脚立に乗ってファイルの帯に書かれている文字に人差し指を滑らせながら探す。


――…ガチャ、


「あれ、花音ちゃん?」


資料室のドアが開いて明るい声がしたので振り向くと田中主任が資料室に入ってきてた。


「花音ちゃんも探し物?」


「あっ、はい。課長に頼まれたので」


「そっか」


大変だね、と田中主任が近付いてくる。

どうしよう、密室に男の人と二人きりだ。

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