溺愛カンケイ!

「河野課長すみません。まだ見つかってません」


声を掛けると課長が私達のいる所までやって来た。

田中主任がいるのに気付いた課長は何故かいつもより不機嫌な声で


「何で田中がここにいるんだ?」


「いや、別に。探し物のついでに花音ちゃんと話をしてたんですよ。用が済んだので戻ります」


田中主任はスッと私の横に来て右肩に手を置き


「邪魔が入っちゃって残念だったね。じゃ、花音ちゃん例の件、考えておいてね」


私の耳元で囁いて田中主任はヒラヒラと手を振って資料室から出て行った。


唖然としてその後ろ姿を見ていた。
本気なのか冗談なのか、田中主任の言ってる事を判断するのは難しい。
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