溺愛カンケイ!

「あぁ、田中の匂いがする」

えっ、田中主任の匂い?


「あっ…」

思い当たることがあり声が漏れる。


「何だ?」

課長は追求をやめない。
田中主任に抱き締められたなんて言えないし。


「あ、それは、あの…」


「それは、何だ?」


だんだん課長の眉間にシワが寄り不機嫌になっていく。


「あの、さっきファイルを探してて脚立から足を踏み外してしまった時に田中主任が支えてくれたんです」

正直に話した。


「そうか、」


課長は納得したのか黙ったまま私を見てる。

課長に見つめられると心臓がキューっと締め付けられる感じがする。
何だろう、この想いは。


「あの、課長?」


「あっ、いや悪い。戻るか」


課長はふわりと髪をかきあげ資料室を出て行き、その背中を追って営業フロアに戻った。


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