君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
手術が終わって、2時間。



やっと、あたしが落ち着いた頃、海生さんがあたしと蓮にむかって、話し始めた。



「琴音ちゃん、手術成功おめでとう。それでね、いきなりなんだけど、二人ともこれ、みてくれないかな?空斗の遺品を整理してたらね、出て来たの。」




そう言って、海生さんはあたしと蓮の前にある物を差しだした。



「これ…空斗の携帯…」



見慣れた青いガラケー。



間違い無く、空斗の物だった。




「そうなの。で、ここのライトがチカチカしてるから気になって開いてみたらね…」



カチッと音をたて、海生さんが空斗の携帯を開く。







三人で小さな画面を覗き込む。



写っていたのは、メール編集の画面。



宛先は"蓮-Ren-"になっていた。



「…俺あて?」



蓮が驚く。




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