君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
今から、心臓移植の手術…。




空斗の最後の願い、あたしが叶えて見せる。




「琴音、頑張れ!!」




「頑張ってね、琴音チャン!!」




蓮、海生さんの声が上から聞こえる。




「うん!頑張る!」




あたしがそう答えたと同時に手術室へ入った。




手術用ベットにあたしの体が移動される。




「琴音チャン、麻酔を打つねー」




目を覚めたころには手術は成功しているのだろうか。




空斗の心臓があたしの心臓に変わっているのだろうか。




たくさんの心配が頭をよぎる中、




だんだん意識が薄れていった。




――――――――――――




――――ピッ ピッ…




規則的な機械音。




「琴…音…?」




あたしは重たい瞼をゆっくりと開いた。




「先生!琴音の目が覚めたよ!」




蓮の嬉しそうな声。




そのあとに先生の声が続いた。




「おっ!目が覚めたか?今吐き気などはしない?」




「…は…い。」




酸素マスクでこもったあたしの声。




「琴音ちゃん、手術は成功です!特にめだった拒否反応もなく、無事終了しました。」



先生はにこっと笑いあたしを見た。




「琴音、おめでとう!手術成功だよ!!」




蓮があたしの手を握って喜ぶ。




こんな形でだけど、あたしと空斗は1つになれた。
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