君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
『安藤 空斗様。



君は今、この青く澄んだ大空を旅しているころかな?




あたしはその大空を見上げながらこの手紙を書いています。




そういえばあたし達が出会った日も、こんな青く澄んだ空だったよね。




立ち入り禁止の屋上で2人が出会えた事。




それって奇跡だよね?




君が亡くなる直前に全て記憶を思い出したのも、




奇跡だって先生が言っていたよ。




そんなたーっくさんの奇跡が絡み合って、あたし達は出会い、そして恋をした。




幸せな時を過ごせたよね。




―――色々書いたけど、最後にあたしが一番伝えたかったこと。




“この先何があっても君が大好きです”




笹原 琴音』




あたしが書いた、たった5枚の手紙は、空斗と燃やしてもらうつもりだ。




「琴音ーッ、葬式行くぞー!」




「はーい!!」



あたしは手紙をしっかり持ち、病室を駆けだした。
< 205 / 234 >

この作品をシェア

pagetop