君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
あたし達は水族館を出たあと、また電車に乗った。



今、手を繋いで空斗の肩に頭をのせて寄りかかった状態。



空斗に"して?"って言われたからしたのはいいけど、はずかしくてタヌキ寝入りしています笑



あたしはかすかに目を開けた。



目の前の窓には青空と輝く太陽が反射した、一面の…海。



「わぁー…海、綺麗だねー!!」



「クスクス…。だなー!」



あ、タヌキ寝入りしてるのすっかり忘れてた…。



やってしまった…



「琴音ー?次の駅、降りよっか?」



イタズラっぽい笑顔でそう聞いてくる。



「いいの…?」



「うん。行こっ?」



あたし達は電車を降りて海に向かった。
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