君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「え…?」



空斗がポカンと口を開ける。



…多分、鳩が豆鉄砲をくらうって、こういうことなんだと思う。



でも、それはあたしも同じ。



「あ…え?」



あたし今、自分で何言った?



無意識に口が動いて…



「それ…本当か?琴音が俺の事好きって…?」



顔が一瞬で赤くなったのが自分でも分かった。



あたし…空斗が好きなの?



この気持ちが"好き"なの?



どうしようどうしよう!?



"イヤ、好きじゃない"って言ったら嘘になっちゃうし…



「琴音?」



1人で硬直しているあたしをみて心配したみたい。



「あ、あぁ…そ、そうです!!あたしは空斗が好き…デス‼」



…言っちゃった。



「そっか。」



うわぁぁ。さすがに引いたよね…



「はぁ…先に言うなよー泣」



ふぇ?何言ってんの。?



空斗が机にパタンと顔を伏せる。



「俺が今日言うつもりだったのに~…」



声を小さくして、独り言を言っているんだろうけど…聞こえてますよ?



「え?どういう?」



「俺、お前…琴音の事が好きだ。多分琴音が思っているよりもずっと、前から。
お前が気になってたんだ。」



「え、じゃあ…」



両想いだ…ってこと?



「笹原 琴音。こんな俺だけど、付き合って下さい。」



「はい…!」



2人で笑いあった。



あぁ…あたし今、こんなに幸せでいいのかな…?


空斗といる一刻一刻が楽し過ぎるよ…



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