君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~空斗side~

琴音の治療室から出されたあと、俺は病室に戻り、考えていた。




不良品…か。




琴音には話してないけど、俺の体はもう確実に治ることは、ない。




琴音と普通に歩いたり、屋上に行くことさえ、もうすぐ…出来なくなるだろう。




ガラッ。




看護師が入ってきた。



「空斗君!琴音ちゃんが普通の病室に戻ったよ!」




「あ、はい。わかりました。」




点滴をコロコロと転がして、琴音の病室へ向かう。




すると扉が閉まって、誰かが琴音の病室に入っていくのが見えた。




扉の前まできて、開けようとすると今入っていった人だろうか、中から女性の声がした。




琴音の…母親ーーー?




「死ねなくてごめんなさい」




琴音の声だ。




何言ってんだ、琴音。




さらに母親の声がした。




「…あんたなんか死ねばいいだけなのに。」




そこで、俺の中の何かがブチンと切れた。




ガラッ!!



「あんた何様のつもりだよ!!…」




きれていたので実際何て言ったのか、正直よく覚えていない。




でも、琴音の瞳からは涙が流れ、琴音の母親の顔がこわばったのがわかった。
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