君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~琴音side~

「お母さん。あたし、死なない。て言うか、死ねない。生きてる意味、見つけたから。」




「何なの、いきなり。

随分、偉くなったようね?

あんたが私にそんな口、きいていいと思ってるの?

馬鹿じゃない?

彼氏かなんだか知らないけど、こいつと一緒なら、私に偉そうにしていいと思って、調子乗ってんじゃないわよ。」





「空斗は彼氏だよ。あたしを救ってくれた、大切な人。」




声も震えている。




そんなあたしの手を優しく握ってくれる空斗。




「あたしは、もうあなたとは関わりません。病院にも言っておきます。」




「いいわ。

まぁ、でもどうせもうすぐ死ぬんだから、関わらないじゃなくて、関われないになるんじゃない?

ふふっ」




そのひとことがあたしには重かった。




「このっ!てめー、ちょっとこい!!」




空斗が怒って母を廊下に連れだした。
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