何度でも何度でも…
「そうよねー。我が妹ながらウブで困るわー」

普通、ああいう話の下りだったら見合いを想像しない?

そこら辺が鈍感なのよねー。

海斗君も苦労してるでしょ?

けらけらと笑いながら紗雪が楽しそうな声が聞こえてくる

「ここまで来るとあきらめの境地ですよ。しるふの鈍感さに振り回されるのも一興かと」

リビングとキッチンは繋がっているから、海斗の苦笑交じりの声がいやでも耳に入ってくる

ふつふつと湧き上がる怒りにしるふの手元は荒くなる

海斗に鈍感とか言われたくないんですけど…!!

隣の希央がそれに気が付いて小さく笑っている

「そう言えるってさすがよー、海斗君。これからもたーくさん迷惑かけるともうけど見捨てないでやってね」

「3年も愛想つかさないでこれたならきっとこれからも大丈夫だと思いますよ」

「そう?じゃあ、そのままさっさと結婚なんぞをしてくれるともーっとうれしいなー」

出た、姉の結婚催促攻撃

他人の海斗を標的にするところ、姉もよくわかっている

案の定、海斗は苦笑でかわす

「ちょっと雪姉!!またそんなこと言って!!いい加減にしてよね!!」

レタスをすべてちぎり終えるとしるふは、キッチンからリビングに乗り込む
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