ハーフな危ないプリンセス
伯爵は…。
剣の達人だった。
姫に振り回されているがすごーく偉いのだ。
半獣でも高潔な伯爵…。
身体能力は極めて高い。
尻尾と耳に触れられるのは姫ぐらいだ。





弓の大会には各国から強者が集まってくるが不貞の輩が潜り込むとも限らない。





魔法の国ともいえども万全ではない。
むしろ交流の場であるマジェスタはいろいろな意味で集まりやすいのだ。




そして…。あのイベント好きの姫。
魔力はピカ一と来ている。





「「伯爵様ー!」」






廊下を走る黒の耳と白い耳のメイド達。





「どうした?」
一応冷静に伯爵らしく振る舞う。
わかっている…。思い当たるのはひとつ…。





「浴場で!」
「姫様が!」






「何?!」






廊下を激走する。






「姫ー!」






そこには泡だらけの姫。
困り果てる妖精。






「バルトも遊ぼう!」






人魚姫…。
ではなく海賊を浴場に作り出し泡の大砲を放つラズベル。





フルフルとわななく忠犬…。





「姫様ー!今日という今日は魔法の使い方を…。」




その時泡の大砲が飛んで。
瞬発力のある伯爵は直ぐ様避ける。





海賊艦に飛び乗ると姫を抱き抱え部屋に直行。






ドン!と音が響いた。魔導書が積み上げられた。
「これが終わるまでは変身も遊びもなりません!」





いきなりだて眼鏡に杖をもちお説教をくどくど…。





「ルゼお前が…。」






「すみません。人魚の話をしてしまいまして…。」





コスプレ好きが飛躍して海賊に…。
高度な魔法なのだが…。褒める訳にもいかず。





「ルゼは悪くないから…。怒らないで。」





うるうると見つめる姫。
まるで飢えた子犬?!





「うっ…。」






伯爵の弱いところ…。






「静かにしてるから…。」





魔導書を読む姫。本来なら優秀なのは知っている。





「わかればいいんです、わかれば…。」





それから部屋を出る。






「私は…厳しいか?」






「いえ…。姫は甘えているのですよ。貴方はそのままで。」





「そうか…。」






エルフの言葉に安心する。





「心配しすぎなくてもラズベル様は大丈夫です。」




安心させるルゼに微笑んだ。

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