ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
「酒は体に悪いんだ」
「……」
藤馬の体を気遣った台詞を吐きつつ、その口で一升瓶をラッパ飲みする女にどんな言葉をかけるべきか。
「死神殺し、とか名前あったか、この酒……」
あーあー、と半ば他人事のように酒を飲む五十鈴を見つめる藤馬。
同じことを言い続ける口は、酔い潰れと共に閉じたわけだが。
「おーい、生きてっかー」
「うぅ……」
撃沈した五十鈴のうめき声。夢の中でも、『私はお前を認めないっ』と怒っていそうだ。
「はあ、クリスマスに酔い潰れるって、どんだけだよ。おい、起きねえとマジでワカメ酒するぞ」
ゲロ吐かれたらたまんねえと、五十鈴の頬を叩くが相も変わらずだ。