シークレット ハニー~101号室の恋事情~


野田が不感症は治った?とかデリカシーゼロ発言をかました時か。

あれからまだ二ヶ月くらいしか経ってなにのにすでに懐かしい気持ちになる。
それと同時に、あの時から野田の失礼さは変わらないなと少しの憤りを感じた。


「最初はチャンスだと思った。
俺は管理人って立場があるし、これを機にゆっくりとでもいいから近づけたらって。
でも、野田が言った言葉に、そんな考えは飛んでいった」
「……もしかして、不感症発言ですか?」


ためらいながら聞くと、五十嵐さんは微笑みの中にわずかに苦笑いを混ぜる。


「葉月の身体を知っていて、それをあんな場所であんな馬鹿にしたような態度で言っているのが許せなかった。
それで一気に気持ちが昂ぶって……結局、野田をどうこう言えない事をしたって後で気づいたけど」


そう言った五十嵐さんは今度はしっかりとした苦笑いを浮かべた。

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