シークレット ハニー~101号室の恋事情~
ああ、またあの女かって後ろ指さされる光景が目に浮かんで、苦さ96%の苦笑いをもらす。
だって、噂の相手が五十嵐さんだなんてなったら、今までの後ろ指なんて比べ物にならないのが分かるし笑ってなんていられなかった。
なんかもう階段から突き落とされたりしないだろうか。
そういう労災になるのか分からないようなケガを心配するレベルだ。
そんな事を考えていると、部長が「今度は噂じゃないだろう」と言う。
噂じゃないってどういう意味だろう。
わざわざ事実だって言いまわれって事なんだろうか。
私の心の疑問が聞こえたように、部長は顔をしかめて五十嵐さんを見た。
「篤志、まさかまだ話してないのか?」
五十嵐さんは私を見ながら、苦笑いを浮かべる。
私と違って、本当に苦さと笑いが半分ずつくらいの。
……むしろ楽しんでいるけど、それをわざと隠すために苦さを作っているような、そんな苦笑い。