シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「葉月が許してくれる自信がなくてね」
「……なんですか?」


ドキドキ心臓がうるさいのは、嫌な予感しかしないから。
だって、噂でなく私との関係が広まるっていうのはつまり―――。


「公言しようかと思うんだ。全社員の前で」


予想はしていたけど、言葉にされて思わず目の前がクラっと揺れた。


「公言……する必要がありますか?」
「この会社は、社内結婚するってなると、昼休みの食堂にお祝いのスピーチを流すんだろ?
それと同じだよ」


確かに、社内恋愛の末の結婚だと、本人が社内放送でちょっとしたスピーチをするのがなんとなく決まりになってはいる。
ノリのいい営業の人なんかが司会して、何年前からの付き合いで~なんて事を恥ずかしがりながら本人たちが答えたりして。

それは第三者として聞いている分には、それなりに楽しかったけど……。
それをやれと……?




< 292 / 313 >

この作品をシェア

pagetop