シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「葉月が許してくれる自信がなくてね」
「……なんですか?」
ドキドキ心臓がうるさいのは、嫌な予感しかしないから。
だって、噂でなく私との関係が広まるっていうのはつまり―――。
「公言しようかと思うんだ。全社員の前で」
予想はしていたけど、言葉にされて思わず目の前がクラっと揺れた。
「公言……する必要がありますか?」
「この会社は、社内結婚するってなると、昼休みの食堂にお祝いのスピーチを流すんだろ?
それと同じだよ」
確かに、社内恋愛の末の結婚だと、本人が社内放送でちょっとしたスピーチをするのがなんとなく決まりになってはいる。
ノリのいい営業の人なんかが司会して、何年前からの付き合いで~なんて事を恥ずかしがりながら本人たちが答えたりして。
それは第三者として聞いている分には、それなりに楽しかったけど……。
それをやれと……?