シークレット ハニー~101号室の恋事情~
わざわざ相手のために写真を撮られなくちゃならないなんて。
しかも、付き合ってるって思わせるようにって注文がついたら、親密そうな距離感じゃなきゃダメなんだろうし。
そんな偽装記事で注目を浴びて、しまには叩かれて。
私には考えられない。
嘘で固めた世界。
勝手にそんな風に感じて、芸能人が誰と熱愛しようと破局しようと、どうでもいいって思うようになった。
そんなニュース見るのに朝の大事な時間を割くくらいなら、もっと仕事に役立つような情報をって。
私は高卒で入社したせいか、社内で周りとの知識の差みたいなものを強く感じて、もっと時事を知らなくちゃって意識が強かったから余計かもしれない。
でも、窓口で仕事しだしたら、案外芸能ネタを話していくおばさんとかもいるから、民放のニュースも見るべきかなぁって最近は思ってるけど。
「そんな事より、雨宮は五十嵐さんの事どうも思ってないの?」
「……まぁ、今のところ別に」
普通に答えたのに、福島さんは納得いかなそうに眉を寄せた。