桜涙 ~キミとの約束~


「ん……」


夢から覚めて、最初に感じたのは体のだるさと寒気だった。

どうやら私の中に住んでいるウイルスは存外強い子らしく、薬を飲んだにも関わらずまだまだ絶賛活動中のようだ。

と、いつの間にか閉められたカーテンの向こうから誰かの話し声が聞こえて。


「じゃ、任せたぞ」


中村先生の声がしたかと思うと、保健室の扉が閉まる音が続けざまに耳に届いて。

次いで、カーテンが遠慮がちなレール音をたてながら開く。

てっきり先生が開けたのかと思っていたのに、そこに立っていたのは……


「……リク?」


幼馴染だった。


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