もうひとつの恋
「結衣……ありがとう

確かに俺、逃げ腰だったかもしれない

お前に言われて、少しだけ勇気が沸いてきたよ。

そうだな?もう少しがんばってみるかな」


俺が前向きになったことをそう伝えると、結衣は今度こそ納得したようににっこり笑う。


「そうだよ!がんばってね!

私も遠くから応援してるから」


やっぱりこいつ、いいやつだな?


俺は改めてそう思う。


こんなにいい子を振ってまで、さとみさんへのつらい恋を選んだのだから、結衣の言う通りいつまでもいい人で終わってる場合じゃない。


健太も今年の冬には3歳になる。


俺にとてもなついてくれてるし、さとみさんもだいぶ俺に心を許してくれている気がしていた。


あとは……美咲さんか……


さとみさんと会う時には、相変わらず美咲さんがついてくる。


二人きりになれるチャンスもなくて、俺は少し諦めていたのかもしれない。


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