もうひとつの恋
あれから毎日のように美咲さんに電話をかけているが、出てくれることはなかった。
仕方なくメールもしてみるが、全く返信もこない。
そうこうしているうちに、どんどん例の日曜日が迫ってきていた。
だいたいあんなに機嫌が良かった美咲さんが、急におかしくなったのも、そのことを相談してからだ。
俺は憂鬱な気持ちになって、ソファーに寝転ぶ。
もう一度電話してみようか……
そう思って携帯電話を手にとった途端、着信音が鳴った。
驚いて携帯を落としそうになりながら、美咲さんではないかと慌てて通話ボタンを押した。
「もしもし!?」
「あ!純?私だけど」
誰からなのか確認しなかった俺も悪いが、あからさまにガッカリした声を出してしまう。
「なんだよ、母さんかよ」
「なんだって何よ!
失礼ね!それよりあんた!
今度の日曜日の件忘れてないわよね?」
「あぁ?覚えてるけど?」
面倒くさそうに答えると、母の声がヒートアップする。