もうひとつの恋
「覚えてんなら何で、連絡しないのよ!

あんたがお母さん達には来ないでくれって言うから、任せて携帯番号まで教えたのに!

先方さんはずっと待って下さってるのよ!?」


あっ……やっべ……


美咲さんのことで頭がいっぱいで、そのことをすっかり忘れていた。


だけど今はそんな気になれないのは確かだ。


「母さん……悪いんだけどさ、やっぱり今度の日曜の話、断ってくんないかな?」


思った通り、母は激怒しながら俺に大声で怒鳴り散らす。


「何言ってんの!!

今さら断れるわけないでしょう?

先方は楽しみにしてるんだから、断るなら会ってから自分で断りなさい!」


――だよな?


「わかったよ……

わかったからそんなに怒るなって!

血圧上がるよ?」


「誰が上げさせてると思ってんの!?

いい?私の顔を潰さないでよ?」


俺は仕方なく母を納得させるためにしぶしぶその意見に同意した。


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