もうひとつの恋
――えっ!?


それじゃ全部お袋が計画したってことか?


勘弁してくれよ……


あまりの衝撃に何も言えずに黙っていると、彼女はテーブルに目線を固定したまま俺への思いを吐露し始めた。


「だけど携帯の番号聞かれたのに全く電話がかかってこないし、もしかしたら桜井さんは乗り気じゃないのかもなって思ってました

それで母にもういいからって先方に伝えてくれって頼んだんです

そしたら桜井さんから電話がかかってきて、夢みたいでなかなか電話取れなくて……

初めてあなたの声を聞いた時……憧れから好きに変わるのがわかったんです

だけど桜井さんは会わないで済ませようとしてるんじゃないかって、電話の様子からわかりました

でも可能性はなくても、実物に一目会いたくて……

それであんな嘘つきました

でも会ってみたら本当に可能性がないんだなってわかったから……

ちょっと突っかかっちゃいました

あはっ……バカですよねぇ?私……

嫌われれば諦められると思ったのに、本気で苛立ってる桜井さんを見てショックを受けるなんて……」


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