もうひとつの恋
そこにはいつも美咲さんがいて……


俺を応援してくれたり、励ましてくれたり、慰めてくれたり……


時には俺を思って泣いてくれた。


俺がさとみさんを思ってる間に、どれほど美咲さんに助けられただろう?


美咲さんと歩む未来は、今までよりももっと希望に包まれたものになるに違いない。


だから今までの分を取り戻すくらい、俺は美咲さんを愛し尽くしたい……


溢れるほどの愛情を、彼女に注ぎたいと思っていた。


涙ぐむ美咲さんをそっと見つめると、彼女もまた俺を見つめ返す。


お互いに微笑みあうと、部長やさとみさんがそれを見て、あてられたように笑った。


「じゅんちゃんとみいちゃん、結婚するの?」


隣の部屋でDVDを見ていた健太がそう聞いてくる。


「そうよ?みいちゃん、純ちゃんのお嫁さんになるんだって」


さとみさんが嬉しそうにそう答えると、健太も嬉しそうににっこりと笑った。


いつか俺にも美咲さんとの間に、こんなに可愛い子供を授かるんだろうか?


そんな未来を思い描くだけで、俺はこんなにも胸が熱くなる。


でも急ぐことはない。


俺のもう一つの恋は……


まだ始まったばかりだから……













END
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