もうひとつの恋
実家からの帰り道を、二人で並んで歩きながら、俺は今までにない幸福感に包まれていた。


隣を歩く美咲さんは、行きとは全く違う晴れやかな顔をしている。


時々、俺の顔を見ながら照れたように笑った。


俺はそんな美咲さんが愛しくて堪らない。


ふと美咲さんが嬉しそうに呟いた。


「私、桜井のお母さん

好きだなぁ……

この人の娘になるんだって思ったら、なんだかすごく幸せな気持ちになったんだぁ」


誰に言うでもなく、どこか遠くを見ながらそう言った美咲さんは、今まで見た中で一番キレイだった。


美咲さんと一緒に幸せになろう……


横で微笑む美咲さんを見ながら、俺はそう心の中で誓った。













END
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